大規模建築物と同様の構造計算を実施

日本に住み続ける限り、いつか必ず地震や台風はやってきます。だからこそ、あらかじめ地震の揺れ風の力を想定し、それに耐えうる強力な家をつくる必要があります。また、周辺環境や立地条件によって建物への影響は異なるため、1棟1棟ビルやマンションなどの大規模建築物と同様の構造計算(許容応力度計算)を実施しています。

許容応力度計算とはCADと連動した立体応力解析のことをいい、コンピューター上で台風や地震、積雪などの自然災害についても入念なシミュレーションを行い、その安全性を確認します。これにより構造上の木造住宅では実現できなかった大空間を可能にしたのです。

基礎から部材強度に至るまですべて構造の安全性を証明

構造計算を実現するにはいくつかの条件があります。それは、住宅の構造を構成するすべての部材の強度がわかっていること。接合部に強度の基準があること。そして、基礎や構造部材、接合部の強度が一定の基準値を満たしていること。これによって初めて構造計算が可能になり、家の安全性を数値によって証明できるのです。

1.鉛直荷重(重さ)

建物自体の重さ、積雪や瓦など屋根にかかる重さ、人や家具などの重さなど、建物にかかる全ての重さ(重力)に耐えうるかを検証します。

2.風荷重(強風)

四方を壁に囲まれる住宅は、風に大きな影響を受けます。大規模な大型台風がきたとしても建物がその風圧に耐えうるかを検証します。

3.地震荷重(地震)

地震の際、下から上へと伝わる揺れは建物の大きさ(重量)に影響されます。建物に応じて地震の揺れにどこまで耐えうるかを検証します。

4.層間変形(変形)

強い力が加わった時、建物にできるひずみの許容範囲をあらかじめ検証し、その基準を超えない構造設計をします。

5.偏心率(ねじれ)

地震の際、建物の重さの中心である「重心」と堅さの中心である「剛心」を近づけることで、建物がねじれにくい構造設計をします。

6.剛性率(バランス)

各階の強さに偏りがあると、剛性の少ない階に変形や損傷が集中する恐れがあるため、強さのバランスを保った構造設計をします。

7.基礎(土台)

地盤調査に基づき、大規模物件同様の計算手法を取り入れ、基礎梁と耐圧版とを合わせて立体的に構造計算をします。

8.応力(加わる力)

一本一本の柱や梁、全ての接合部分に加わる力「応力」を解析し、その力に耐えうる部材、接合方法を決定し、安全な構造設計をします。

「人の安全は、耐震性能や耐久性能などの安全性能によって守られるべきである」との考えに基づき、2階建てや平屋であっても例外ではありません。大地震に見舞われることをあらかじめ想定・検証しているため、木造住宅では類を見ないような、耐震性に優れた広く自由な空間づくりが可能となるのです。

PAGE TOP