パッシブデザインとは?アクティブデザインとの違いや住みやすさを紹介

「パッシブデザイン」を3分で解説

パッシブデザインの条件

自然エネルギーを活用して、設備機器に頼らず消費エネルギーを削減する設計手法が「パッシブデザイン」。下記の5つの条件を満たしたものがパッシブデザインとされています。

  • 外気温の影響を最小限にするために必要な「断熱」
  • 夏場の暑い日差しを遮断する「日射遮へい」
  • 換気機能に重要な役割を果たす「通風」
  • 日中に太陽光を活用することで照明の使用を減らす「昼光利用」
  • 室内が冷える冬場に太陽光を取り込んで暖房として活用する「日射熱利用暖房」

パッシブデザインとアクティブデザインとの違い

省エネ住宅の考え方のひとつに「アクティブデザイン(Active Design)」があります。
能動的・積極的デザインという意味を持つアクティブデザインは、エネルギー消費を抑えるために最新設備や技術を用いる点が特徴。
一例として太陽光発電・エコキュート・エネファームがあり、設備の導入コストや故障の際のランニングコストまで含めて導入を検討したい設計手法です。
対するパッシブデザインは最大限の自然エネルギーを有効活用する手法で、機械・設備を多用せずに省エネ住宅を建てる点が特徴です。
断熱性・気密性を取り入れつつ、自然と融合した生活を手に入れる設計手法です。

パッシブデザインの有名建築

・聴竹居(ちょうちくきょ)
京都に所在する「聴竹居」は京都帝国大学教授であった建築家・藤井厚二によって「日本人の理想の住まい」を追及して設計された自邸です。
日本では古来より気候や風土、日本人の体格・感性に合った木造家屋が建てられてきた経緯があります。
それらを基盤にした家屋に淀川からの風を取り込むため、地中に全長12メートルにもなるクールチューブを埋め込みます。
天井に設置した排気口から蒸し暑い熱を排気することで、エアコンいらずの涼しい夏を叶えた国内有数のパッシブデザイン建築です。
住宅の近代化が進む時代に、藤井氏は数寄屋造りと椅子を中心とした生活スタイル・欧米風のモダニズム建築を美しく融合した聴竹居を完成させました。

・スツールビクの家
1914年イギリスに生まれ、スウェーデン・ストックホルムを中心に活躍した建築家のラルフ・アースキン氏は、パッシブデザイン建築の「スツールビクの家」を設計しました。
日照時間が短く日本同様に四季があるこの地域では、氷点下となる冬には降雪もあるため、スツールビクの家は厳しい寒さから身を守るために設計されています。
「雪をコントロールするとともに、雪が持つ美しさも考慮しなければならない」という言葉を残したアースキン。スツールビクの家は雪を断熱材として利用するために、雪を敢えて屋根に留められるような設計となっています。

※参照:
人と地域を未来へつなぐ「聴竹居」|竹中工務店
“日本の住宅の理想形”、「聴竹居」 -建築家・藤井厚二の遺した、こだわり住宅‐|そうだ 京都、行こう。
ラルフ・アースキンの住宅作品における パッシブデザインの手法とその変遷について

パッシブデザインで家を建てる時の注意点

パッシブデザインにおける「断熱」とは

後に説明する4つのパッシブデザインの要素を生かす為に、最も重要なポイントとなるのが「断熱」です。
断熱の主な目的は、太陽から得た温かいエネルギーを守ること。
パッシブデザインでは通年を通して15℃に室温を保つことを目指して設計するため、ヒートショックを抑止して健康的な暮らしが送れるようになります。
断熱の効果により室温が外気温の影響を受けにくくなることから、エアコン等空調の使用を最小限に抑えてランニングコストの低減が期待できるのも魅力のひとつです。
断熱性能を高めるだけでなく、日射遮蔽を意識した作りも大切なポイント。屋根・外壁・床下や開口部の断熱性を高めることが重要です。

パッシブデザインにおける「日射遮へい」とは

炎天下で一定時間経過した際の車内温度が高温になることから分かるように、太陽光は住宅の室温に大きな影響を与えます。
冬場はその恩恵を受けられる日射熱ですが、夏場は窓から室内へ入る日差しを遮断して室温を一定に保つことで快適な生活環境を作ることができます。
日射遮へいを取り入れればエアコンの使用量削減が可能となって電気エネルギーが最低限で済むため、ランニングコストの低減が可能。停電時に室内環境が大きく変わらない点も魅力です。

日本で古くから使用されてきた「庇・軒」を生かすことで、太陽高度が高い夏には日差しを遮り、逆に低い冬には日差しを取り入れることが可能。住宅において熱の出入りが最も大きい「窓」計画もパッシブデザインの重要なポイントになるため、特に意識したい設計箇所と言えるでしょう。

パッシブデザインにおける「通風」とは

「通風」とは、涼感・排熱のために自然風を屋内に取り込んで意図的に空気の対流を起こすこと。
「断熱」「日射遮へい」同様に、自然風を利用した通風効果で室温調整の際にエアコンの設備機器だけに頼らなくて済みます。
最低限の電気エネルギーで快適な室内環境を維持できるため、環境負荷の低減が期待できます。
屋内に空気の流れを生むため、横方向・上下方向に空気の流れを生み出す工夫が必要。部屋の2面以上に高低差をつけ、窓を設置する事で空気の流れを生み出します。
さらに、部屋を個々に区切らず吹き抜けを設ければ一定の室温を保ちやすくなります。

パッシブデザインにおける「昼光利用」とは

昼光利用とは、太陽の自然光を用いることで日中に照明を使用しなくても快適に過ごせるようにすること。電力の消費を抑えられて、日々のランニングコストを低減できます。
日射遮へい同様、停電時にも室内環境が大きく変化しない点も特徴的。
昼光利用の手法の1つである採光利用では、昼間に多く時間を過ごすリビングには2面以上の窓を設け、それ以外の部屋にも少なくとも1面以上の窓を設けるなど、可能な限り多面採光をとることが原則です。
また、家の中に入った光を導く手法として「導光手法」という考え方があり、一般的な手法としては吹き抜けがそれにあたります。

パッシブデザインにおける「日射熱利用暖房」とは

日射熱利用暖房は、日射熱を室内に取り入れて冬に暖房として利用する設計技術。
この技術を用いることで日射熱利用暖房技術においても暖房エネルギー使用を減らすことが可能となり、環境問題の解決に寄与できます
日射熱を取り入れる「集熱(しゅうねつ)」のためには、南側に大きな窓を設置するのが一般的。
その日射熱を逃さないために「断熱」が効果を発揮します。
日射熱を蓄えておく「蓄熱」も重要なので、室内の床や壁・天井の材質には有効な厚みまで熱を貯めておける性質があるものを選び、室温の低下によって蓄熱された熱が室内に放出される仕組みを取り込みます。
日射熱利用暖房は立地によっては実現することが難しい要素でもあるため、家に取り入れたい場合は工務店に相談が必要です。

※参照:コラム | タイコーアーキテクト | 大阪のSE構法とパッシブデザインの注文住宅

パッシブデザイン×耐震等級3の家に注目

住まいを選ぶ際は、デザインや断熱性、省エネだけでなく、耐震性も検討のポイントになると思います。
1995年の阪神淡路大震災をきっかけに1997年に誕生したSE構法は、日本の耐震等級の中で最も高い「耐震等級3」の高い耐震性を誇る建築工法。

そんなSE構法を全棟採用し、耐震等級3の最高レベルを誇るホエールハウス。
パッシブデザイン建築に最高レベルの安全性を兼ね備えた住宅を、ホエールハウスで叶えることができます。
耐震・性能・資金セミナーなどを無料で開催していますので、家づくりを学びたい方はぜひセミナーにご参加ください。

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