地震に強い家の特徴とは?家づくりで大切なポイントを解説

地震に強い家・弱い家の特徴とは?

まずは、地震に「強い家」と「弱い家」それぞれの特徴について解説します。

地震に弱い家の特徴

地震に弱い家の特徴は、古い家・形が複雑な家・増改築した家・地盤が柔らかい場所に建つ家の4つです。

1.古い家

耐震基準が新しくなった2000年5月以前の建物や、建ててから20年ほど経った家は弱い家といえます。
過去には行政の補助金やローン優遇は1981年以前の建物を古い家が対象となるのが一般的でしたが、その後の震災で1981年以降に建てられた建物の中にも倒壊した例があったため、2000年5月以前の建物も対象となりました。
また、20年前の建物は新しく見えても設備が今の耐震基準にあっていない可能性があり、結露や壁・柱の腐食に備えてメンテナンスを考える時期にさしかかるため、地震に強いとは言い難いでしょう。

2.形が複雑な家

ビルトインガレージ・大きな吹き抜けのある家・L字型の家のような複雑な形の家は、強度が下がる傾向があります。

3.増改築した家

増改築した家は、形が複雑になったり増やした部分のつなぎ目が弱かったりと、初めに建てた家とバランスが合わないことがあります。

4.地盤が柔らかい場所に建つ家

どんなに耐震性能が高い家でも、地盤が柔らかい場所に建てられた家は大きく揺れる可能性があるため、家にかかる負担が大きくなります。

地震に強い家の特徴

地震に強い家は12の特徴があります。

  1. 耐震基準を満たしている
  2. 耐震等級が高い
  3. 免震・制震・耐震が備えられている
  4. 地震に強い素材が使われている
  5. 耐震構造で建てられている
  6. 耐震工法で作られている
  7. 耐震のための技術を使って建てられている
  8. 地震に強い形の家である
  9. 地震に強い間取りになっている
  10. 地震に強い基礎工事の造りである
  11. 地盤が強い土地である
  12. 長年にわたりメンテナンスができる

以下で詳しくその特徴を見ていきましょう。

【新築向け】地震に強い家の12の特徴

続いて、「地震に強い家」の12のポイントを一つひとつ解説していきます。

1.耐震基準

地震大国である日本には、最低限担保しなければならない「耐震基準」を定めた建築基準法という法律があります。
1978年の宮城沖地震を受けた1981年の改正、1995年の阪神淡路大震災を受けた1995年と2000年の改正など、国民の命と安全を守るために改正が行われました。
この耐震基準に沿って建てられた家が増えたことによって、阪神淡路大震災では83.3%だった圧死・損壊死が東日本大震災では4.2%となったのです。
最近では2022年、2023年に改正が行われ、2025年には全ての新築に省エネ性能が義務化となるなど、住宅が保つべき基準は時代に合わせて進化しています。

※参照:
国土交通省「建築物の耐震改修の促進に関する法律の概要」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001466564.pdf

日本耐震診断協会「新耐震」でも倒壊の恐れ2000年5月以前の木造住宅
https://www.taishin-jsda.jp/column17.html

国土交通省「令和4年法律第69号」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_shoenehou_kijunhou.html

総務省消防庁「東日本大震災記録集」
https://www.fdma.go.jp/disaster/higashinihon/item/higashinihon001_18_03-04.pdf

2.耐震等級

耐震等級とは、建物の地震への強さと耐震性を示す指標の1つです。
現在、新築で建てられる建物は「震度6強、7程度の地震でも倒壊しない」という耐震等級1が耐震基準となっており、これを満たす必要があります。

  • 耐震等級1…建築基準法で定められた最低限の耐震性能(震度6強、7程度の地震でも倒壊しない)を満たしている基準
  • 耐震等級2…耐震等級1の1.25倍の耐震性能
  • 耐震等級3…耐震等級1の1.5倍の耐震性能

3つの等級の中では「耐震等級3」が一番高い耐震性能となります。
耐震等級3は災害時の救護活動拠点にも使われており、熊本地震では2度の震度7にも耐え大きな被害はありませんでした。

※参照:国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」
https://www.mlit.go.jp/common/001155087.pdf

3.免震・制震・耐震

免震構造・制震構造・耐震構造は、地震から家を守るための構造の種類を指します。

  • 免震構造…建物と基礎の間に免震装置を挟み、揺れが伝わらないようにした構造
  • 制震構造…制震装置を取り付けて地震エネルギーを吸収し、揺れを小さくする構造
  • 耐震構造…柱や梁、壁など建物を強化することによって、地震に耐える構造

ハウスメーカーによっては、独自の技術で組み合わせたハイブリット製品もあります。例えば耐震+制震といったような組み合わせがあるので、気になる方は問い合わせてみましょう。

4.素材

家の建築で使われる素材には、木・鉄・鉄筋コンクリートがありますが、実は耐震性能においては木が一番強い素材だとも言われています。
木と鉄とコンクリートで引っ張り・圧縮・曲げの実験を行ったところ、全ての実験において木が強かったという検証結果もあります。
鉄や鉄筋コンクリートは金属を使っていますから、丈夫で強度があるのは間違いありません。しかし、木は軽く強いという特性があります。
軽い家は地震が来た時に揺れが小さくなるため、建物への負担が少なく済み、地盤にもやさしいというメリットが。切られた後の木は乾燥し強度が増すため、長年住み続けたい住宅にとってはこれも大きなメリットといえます。

※参照:森林学習館「木材が強い理由(比強度)」
https://www.shinrin-ringyou.com/mokuzai/kyoudo.php

5.構造

建築における構造とは、建物を支える骨組みのこと。主なものに、柱と梁を主体にして組み立てるか面(壁)を主体にして組み立てるかの2つのパターンがあります。
柱と梁が増えれば強度が増し、面(壁)が増えれば耐力壁(地震や風などの水平方向の力に対応した壁)が増えるというように、それぞれ地震へのメリットがあります。
住宅構造の1つに、柱と梁を使ったラーメン構造があります。食べ物のラーメンではなくドイツ語で「額縁」という意味で、人が住む額縁=家を表しています。国立西洋美術館や中高層マンションで使われている構造で、間取りの自由度が高いデザインの建物を造れます。以前は鉄骨や鉄筋コンクリートでしか利用できませんでしたが、今は木材でも利用可能になったことで、木材での耐震性能も認められています。

6.工法

建築における工法とは、建物全体をどのような構造で組み立てられているかという建築方法のことです。
木・鉄・鉄筋コンクリートをどのような構造で作るかによって、様々な工法名があります。
例えば、木で面による構造を利用した木造枠組み工法は「ツーバイフォー(2×4)工法」と呼ばれますし、鉄筋コンクリートを利用したラーメン構造は「鉄筋ラーメン工法」と呼ばれます。素材と構造の組み合わせによって、耐震性能に優れた様々な建築工法が生み出されてきました。
その中でも丈夫な木を使い、耐震性能もあり間取りの自由度が高いラーメン構造を使ったSE構法というものがあります。
SE構法は品質の安定した「構造用集成材」を採用しており、特殊な金具を使うことによって柱と梁の接合部の欠損が少ないというメリットがあります。また、構造計算によって耐震等級3の強度を担保しており、建築する際は定められた基準を満たさなければなりません。
2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震でも壊れなかった優れた工法です。

SE構法は「SE構法登録工務店」の資格を持つ工務店しか建てられません。
神戸で登録工務店の資格を持つ株式会社WHALE HOUSEでは、全ての家にSE構法を使って施工しています。
こだわりをたくさんつめた家やのびのびとした空間など、施工主様のための家造りのお手伝いをしたい。そんな思いから、WHALE HOUSEでは無料の「耐震セミナー」を開催しています。
ご参加はもちろん無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

7.技術

柱と梁の接合部や建築工法の一つ筋交いなど、どのような建築技術を取り入れているかも大事な点です。
免震・制震・耐震における技術や装置の実験を繰り返しながら、ハウスメーカーでは日々安心のための研究がされています。

8.形

シンプルな形は地震に強い家の特徴の一つです。
シンプルな形とは「正方形」や「長方形」のこと。1階と2階の形がほぼ同じという総二階建ての建物は、特に耐震性が高いといえます。
また、平屋も地震に強い家の形の1つ。高さが低くシンプルな間取りになり、台風に強いというメリットがあります。
では3階以上の耐震性能はというと、階が多いマンションやビルはほとんどが長方形になっており、構造上問題がないように造られています。
問題なのは、平屋のような建物に2階を足した不整形の形の場合。2階の方が大きい形は、オーバーバンクと呼ばれバランスが悪く耐震性が低くなります。2階が小さい建物は、2階まででしたら間取りや構造計算により耐震性を高められますが、3階以上になると難しくなります。

9.間取り

間取りによっても地震への強さは変化するもの。壁や柱を適切な位置に配置すると、地震による建物のねじれを防げます。
1995年の阪神淡路大震災ではねじれによる損壊被害が大きかったため、2000年の新耐震基準で耐力壁(地震や風などの水平方向の力に対応した壁)をバランスよく配置することが求められるようになりました。
リビングを広く取りたい場合などは、壁や柱をバランスよく増やしてあげることが必要になります。
1階と2階が中央に揃っている箱型のような間取りも、強い間取りといえるでしょう。

10.基礎

地面と建物の間にある家を支える「基礎」は、住宅の耐久性を左右するほどの大事な役割を果たすもの。「布基礎」と「ベタ基礎(スラブ基礎とも呼ばれる)」の2つの工事が一般的です。
「布基礎」はTの字を逆にした断面形状の鉄筋コンクリートを柱や壁の下に設置し、線で支える構造。「ベタ基礎」は細かな感覚で地盤全体に鉄筋を入れたコンクリートで覆う、面で支える構造です。
耐震性能が高いのは「ベタ基礎」の方で、壁や柱はもちろんのこと床面も面の基礎で支えられているため、重さが分散されて耐震性を高めることができます。

11.地盤

地盤が強いという点も見過ごせないポイントです。
2000年以降、新築住宅に対して地盤調査が義務化されました。
特に地盤が弱い土地に家を建てる場合には地盤改良が必要になります。
地盤調査のタイミングは、土地を購入した後で家を建てる前となり、土地購入の前に行う場合は自己負担がかかりますので注意しましょう。

12.維持・メンテナンス

適切に維持やメンテナンスをしている家は、地震に強いといえます。
特に木材の場合、結露による柱や梁の腐敗、シロアリ被害で大事な柱や壁がダメになってしまっては耐震性能に大きな影響を及ぼします。
新築住宅を建てる際は、保証やメンテナンスの期間や頻度なども検討材料にしましょう。

【すでに家がある場合】地震に強い家にするには?

まずは耐震診断を

すでに家がある場合、まずは耐震診断を受けましょう。耐震診断を受けるには2つの方法があります。

市町村で耐震診断を受ける

市町村に耐震診断を申し込む大きなメリットは、市の紹介なので安心・信頼できる業者が来てくれるという点。また、補助金制度の対象になれば費用が助成されるというのも大きなメリットです。
補助金は申し込みできる期間や対象者、建てられた年や人数制限など各自治体によって異なりますので、詳しくはお住まいの担当者にお問い合わせください。

業者に依頼をする

業者に依頼をする場合、2つの方法があります。
1つ目は、補助金が受けられない場合であっても県や市町村から耐震診断ができる業者を紹介してもらうという方法。県によっては積極的に紹介すると案内されている場合もありますので、一度HPを確認するか担当者に問い合わせてみましょう。
2つ目は、信頼できるハウスメーカー・建築士に依頼する方法。建てたときのハウスメーカーや、中古住宅であればその時のハウスメーカーが耐震診断を行ってくれる場合もあります。診断ができるか相談してみましょう。

※耐震診断を行えるのは、建築士の資格を持つ「木造住宅耐震診断調査資格者」に限られます。

耐震補強で地震に強い家に

耐震補強をすると安心安全を得られることはもちろんのこと、税制優遇が適用される場合もあります。
具体的には所得税控除(ローン減税)と固定資産税の特例措置です。

所得税控除の対象建物は、1981年5月31日以前の建物です。ただし、耐震改修の工事を2023年の12月31日までに行った人が対象となっていますのでご注意ください。

※参照:国税庁「No.1222耐震改修工事をした場合(住宅耐震改修特別控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1222.htm

固定資産税の特例措置の対象建物は1982年1月1日以前の建物。工事費用が50万円を超えていること、2024年3月31日までに工事を完了することが条件となります。

※参照:国土交通省「固定資産税の特例措置について」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001487860.pdf

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