部屋の温度は何度が理想?適温と室温の違いは?

人が健康で快適に暮らすための室温・適温は何度?

室温と適温とは?

「室温」とは屋内の部屋や場所の温度を指します。
対して「適温」とは人や動物が快適と感じる温度のことで、季節や湿度、皮膚表面の温度によって異なるのが特徴。
同じ環境なのに暑がったり寒がったりする人がいるのは、それぞれ感じる適温が違うのが理由とされています。

心地よい室温設定とは?

一般的に人が心地よいと感じる適温は夏は25~28度、冬は18~22度とされているため、室温設定もそれに準ずるのがおすすめです。
夏場で28度と聞くと高く感じるかもしれませんが、これはクールビズを前提にした実験結果によるもの。
室温26度でスーツを着込む場合と室温28度で軽装を着用する場合とで、温度感がほぼ同じであることから設定されました。
一方で冬場は重ね着をする人が多いため、18~22度でも暖かく過ごせると考えられています。
エアコンが作動しているのに適温に設定した温度よりも暑く(または寒く)感じるのは、室内機の天面から吸い込んだ空気の温度を基準にセンサーが室温を検知し、自動的に風(冷風・暖風)を止めたり弱めたりする機能をもっているからです。
設定した温度よりも「暑い」「寒い」と感じた時は、自分の体感温度に合わせてエアコンの設定温度を調整してください。

※参照:国土交通省「ハイブリッド・エコ・ハートQ住宅の科学」① 住宅の温熱環境編

国が推奨する室温は何度?

国は公共施設や店舗・事務所などでのエアコンの室温を夏は28度・冬は20度に、湿度を40%から70%に設定することを推奨しています。
その根拠となるのは「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」や「労働安全衛生法:事務所衛生基準規則」といった法律ですが、湿度に関しては具体的なガイドラインは設けられていません。
これらの数値は健康とエネルギーの効率的な利用を両立させる目的で、人が多く集まる場所を基準に設定されています。
あくまで推奨の温度や湿度なので、職場や家庭の事情に合わせて、快適に過ごせる温度と湿度を調整してください。

統計情報に基づく室内温度と健康の関係

国土交通省が断熱改修工事前後で居住者の健康状態を比較した「住宅の温熱環境と健康の関連(2019年12月発表)」調査によると、室内温度と健康には大きな関係性があることがわかりました。
調査では、室内温度を適切に設定すると熱中症・高血圧・動脈硬化・ヒートショック症候群などを予防できると公表。
冬でも室温18度以上を保っている家に住む人は総コレステロール値やLDLコレステロール値、心電図の異常所見が低く、室温18度以下になる部屋に住む人は高血圧・動脈硬化・循環器疾患のリスクが増大しています。
断熱改修の前と後を比較すると、断熱改修後は家の中での身体活動が活発化した人が増加し、高血圧や夜間頻尿などの疾患を持つ人が減少したこともわかりました。
そのほか、脱衣所と風呂場の温度を上げればヒートショック症候群予防になり、24時間換気システムで温度と湿度を管理すればカビやダニなどが原因のアレルギー症状やシックハウス症候群を軽減する効果も期待できます。

※参照:
国土交通省「ハイブリッド・エコ・ハートQ住宅の科学」①住宅の温熱環境編」
国土交通省「住宅の温熱環境と健康の関連」

季節によって適温は変わる

人が心地よいと感じる適温は、季節によって変わります。
夏は25~28度で冬は18~22度とされていますが、春や秋は日中と朝晩とで感じ方が違うため、20~25度ぐらいの幅で考えるとよいでしょう。
心地よい適温は、気温だけでなく湿度・季節風・日照時間・屋内外の温度差などからも影響を受けるものです。
同じような温度帯だとしても、春先はあたたかな風や湿度が徐々に増えるため朝晩の寒さが和らぎ過ごしやすくなりますが、秋口は冷気を伴う北風や日照時間がだんだんと短くなるため寒さを感じやすくなります。

赤ちゃんがいる場合の適温とは

赤ちゃんが快適に過ごせる室温は、春と秋冬は20~25度、夏の猛暑日や熱帯夜は25~28度とされています。
体温調節機能が未熟な赤ちゃんは厚着をさせるとすぐに体温が上昇するため、冬場でも薄着が基本です。
代わりに室温を大人よりも高めに設定して適温を保ちましょう。
適温と密接な関係がある湿度も要チェックで、50~60%を保ちながらエアコンや衣類で調整が必要です。
赤ちゃんにエアコンの風が直接当たらないように配慮し、一日数回窓を開けて部屋を換気してください。

ペットがいる場合の適温とは

ペットにとっての適温は、冬場が20~25度、夏場が22~26度とされています。
人間と同様に高温多湿で無風状態だと熱中症になりやすいので、エアコンだけでなく適度な換気が必要。
ペットの種類によって暑さ寒さへの耐性が違うので、飼う前にお店で必ず確認してください。

適温を保つための室温の調整方法

室温を快適に保つ冷暖房機活用法

エアコンは予約機能を活用して、帰宅前や就寝前に適温になるように設定しましょう。
在宅中は扇風機で空気を循環させれば効率的に適温を保てるのでおすすめです。

エアコン使用時以外の室温管理も快適さに大きく影響します。
季節に合わせて日中はカーテンやブラインドを開けて太陽光と熱を取り入れ、夜はカーテンやブラインドを閉めて部屋の熱が外に逃げ出さないようにすると光熱費節約にも効果的。
遮熱シートを屋根に取り付けたり、オーニング(日よけ)をベランダや庭に設置したりするのもおすすめです。
遮熱フィルムを窓に貼る・簡易内窓を作るDIYも冷暖房の効率アップが期待できます。

快適さをアップする湿度調整法

一年中部屋で快適に過ごせる湿度の目安は40~60%です。
エアコンの除湿機能を使うのが一番簡単ですが、電気代が心配な方はタイマー機能や湿度自動調整機能を設定し、家で過ごす時間限定でエアコンを使うことをおすすめします。
湿度が高く蒸し暑い夏には窓を開けて室内の風通しをよくして湿度を下げるほか、除湿器を積極的に活用するのが効果的。
湿気を吸収する竹炭や除湿剤、調湿機能の高い紙や木でできたインテリアを置けば部屋のアクセントにもなります。
エアコンを使うと空気が乾燥し過ぎる冬は湿度を高めてください。
加湿器を使ったり観葉植物を育てたりするのもよいアイディアです。
石油ストーブやガスストーブを使って室内の湿度を高めると、風邪やインフルエンザウィルスの活動も抑えられて健康管理にも役立ちます。

エアコン・ストーブに頼らず快適に過ごすには

着ている衣類を工夫すると快適に過ごせます。
夏には首に巻く冷感グッズや首掛け式のハンディファン、薄手で通気性のよい生地や接触冷感繊維を使用した服がおすすめです。
冬は保温性の高いダウンやセーター、吸湿発熱機能繊維の下着などで暖かさを確保しましょう。
マフラーやストール、レッグウォーマーなどを使用して首・手首・足首を温めるのもよい方法です。
もっと簡単に心地よく健康的に過ごしたい方は、断熱材を多用した省エネ設計の高性能住宅に住むことも検討してみてください。

一年中適温な家をつくるには?

断熱性能UPで適温キープ

断熱性と気密性を高める工事をすれば、一年中適温で心地よく暮らせる家が実現します。
工事では屋根や壁に断熱性の高い塗料を使うほか、壁の内部や屋根裏に断熱材を充填する方法が主流。
樹脂サッシとペアグラスでできた断熱窓で、夏の熱い空気や冬の冷気が家に流れ込むのを防ぐのもよい方法です。
家屋全体の冷暖房効率を高める工事をすると国や自治体から補助金が出るケースがあるので、ぜひ工務店と相談・検討してみてください。

パッシブデザインで適温キープ

壁や屋根に断熱材を使って気密性と断熱性を向上させ、太陽光や風を最大限に利用した省エネ住宅設計技術「パッシブデザイン」を活用すると、年中快適な室温で過ごせる住宅が建てられます。
屋根には太陽光の反射率が高い明るめの塗料を使用すると夏は涼しく、濃い色の塗料を使うと冬に暖かい家にすることが可能。
屋根の形状を工夫すれば季節によって屋根の影になる面積が変わり、冷暖房効率向上が期待できます。
太陽光発電器を設置する場合は、広い面積を確保できる片屋根や勾配がなく設置が自由な陸屋根がおすすめです。
窓は南向きが理想的。冬場には太陽光と熱を取り入れて部屋を温めてくれます。夏場はひさしやブラインドで直射日光を遮れば、通り抜ける風が家中の熱をさらって快適に。
冷房代の節約につながるというメリットもあります。

適温・丈夫・長持ちな家を手に入れるなら

快適な室温で暮らせて長持ちする家が欲しい方には、「断熱等性能等級5」「一次エネルギー消費量等級6」「耐震等級3」をクリアした「長期優良住宅」がおすすめです。
全棟が「長期優良住宅」認定を取得し、パッシブデザインも導入している神戸の工務店・WHALE HOUSEは、家の性能や土地探し・住宅資金についての無料セミナーを定期的に開催しています。神戸周辺で快適な家を建てたいと検討されている方は、ぜひお気軽にご参加下さい。

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