工務店は何をしてくれる所なの?ハウスメーカーとの違い

「工務店が何をしてくれるか」まとめ

新築住宅・建築物の施工管理・施工

工務店は、建築・水回りの工事・電気工事・塗装・工期のスケジューリングなどを含めた、主に木造戸建て住宅の施工に関わる工程全体を請け負います。
その中でも、お客様から直接注文を頂いて土地探しや設計から始める「元請け」と言われる工務店と、ハウスメーカーなどからの依頼ですでに提示された設計図を元に建物の施工のみを請け負う「下請け」に分けられます。
受注方法や会社の規模に違いはありますが、どちらも現場で指揮を取ることに変わりはありません。

リフォーム・増築・修理

古くなったキッチン設備やクロスを張り替えるといった、いわゆるリフォームといわれる小規模な工事、部屋を増やしたり壁を取って大きな空間にしたりと大胆に間取りを作り変えるリノベーションなども工務店の仕事です。
木造建築の施工に特化しているので、パーツごとに変えることの多いリフォーム専門店と違い、柱や壁の位置を変えるような大掛かりな工事にも対応しています。
さらに、緊急の場合でもすぐに駆けつけて修理することが可能です。

メンテナンス

住み始めてからも安全・快適な日々を送れるように、定期点検してくれることの違いや定期訪問で家の状態を確認。
工務店にもよりますが、10年~20年ほどの定期点検期間を設けてサポートしてくれます。素人では気づかなかった劣化や破損でも、前もってプロが見ておくことで早期に対策ができ、災害時においても被害を最小限に抑えられるでしょう。
プロに任せるべきところもあれば、そこに住む人たちの手で日頃からできるメンテナンスもあります。専用アプリを使って分かりやすく家の管理方法を発信したり、そのアプリ経由で気軽にメンテナンス依頼ができるようなサービスを提供したりしている工務店もありますので、メンテナンスを重視する場合は選択肢として検討してみましょう。

工務店とハウスメーカーの違いとは?

そもそも工務店とは

該当する市町村、広くても県内ほどの比較的狭い範囲で発注を受け、新築戸建て住宅を主に施工するのが工務店。家の形や間取り、木材の種類から階段の幅まで一から好きなように設計できる自由度の高さが特徴です。
会社の規模や得意とする工法によっては公共施設などの施工をすることもあり、ほかにも役割や社風によって細かく分類されます。

まず工務店と言われて想像しやすいのが、「独立自営型」でしょう。設計からアフターケアまで一貫して全てを請け負う業務形態です。
その中でも「地域密着型」は昔から地元に根ざした少数精鋭の工務店で、受け継がれてきた確かな技術とその土地ならではの気候や風土に関する知見の高さが魅力です。お客様との距離感も近く、融通が比較的利きやすいという点もメリットといえるでしょう。
ほかには、本部と契約してハウスメーカーのノウハウを使って施工する「フランチャイズ型」、注文はハウスメーカーの営業部門が取り工務店は建物の施工のみを請け負う「下請け業務型」といった形態の工務店もあります。

ハウスメーカーとは

ハウスメーカーは事業規模が大きく、全国各地にある支店の営業部門が発注を受けます。家を建てる施工自体はそこからまた地元の工務店に発注するので、ハウスメーカーはお客さんと直接コミュニケーションを取ることがメイン。同じ規格で設計しているので、施工する工務店によって品質のばらつきが出にくい仕組みになっています。

工務店・ハウスメーカーでやってくれることの違い

工務店とハウスメーカーでは、以下の項目についてそれぞれ違いがあります。

1. 規模・施行エリア
工務店:小規模経営が多く、社員数も少ない。市町村内の車で行き来できるような範囲。
ハウスメーカー:全国に支店を持つ。社員数は多く、各専門部署に細分化されている。

2. 建築コスト
工務店:資材をまとめて発注することが少ないため、材料費そのものは高くなりがちだが、施行エリアが狭いことと、人件費の少なさでかなり抑えられる。
ハウスメーカー:同じ規格の資材を大量発注、または自社生産しているので材料費は安いが、全国展開のための宣伝・広告費や人件費がかかる。

3. プランの自由度
工務店:一から設計できるのでかなり自由度は高い。
ハウスメーカー:あらかじめ決められた規格の中から設備やクロス(壁紙)などを選んでいくので、自由に考えられる幅はあまりない。

4.工期の長さ
工務店:少人数の会社が多いのと、こだわった設計だとどうしても時間がかかってしまう。(約4ヶ月)
ハウスメーカー:品質に差が出ないように同じ規格を使っているので、工程がスムーズで竣工まで早め。(約3ヶ月)

5. 品質(施行の精度)
工務店:ベテランもいれば新人もいるので品質の均一性は保ちにくいが、技術面をフォローできるような人材を配置することで補う。
ハウスメーカー:資材そのものを扱いやすいように工場生産していたり、それに合わせた金具を使いマニュアル化された工程を進めていったりするので、どの下請けに発注しても品質に差が出にくい。

6. アフターフォロー
工務店:緊急時でも連絡が取りやすく、担当者も変わりにくいため話がスムーズに進む。定期点検の期間は10年ほどの場合が多い。
ハウスメーカー:保証制度や定期点検のシステムが充実している。困ったことがあったらすぐに連絡できるよう独自のサービスを開発する企業もある。

工務店のメリットとデメリット

工務店の大きなメリットは、何と言っても身近にある安心感です。
家を建てるまでには図面やサンプルを見ながら何度も話し合いをする必要があるので、お互いフットワークが軽いことがこの先もお付き合いしていく上で大事になってきます。
自由度の高い設計にすることで工期は長くなり、使う材料によってはコストが増してしまうこともあるかもしれませんが、そこは融通の効く工務店ですので、上手く折り合いをつけるアイデアを出してくれることもあるでしょう。
一般的にリフォームやリノベーションは、新築を建てることよりも難しく技術を必要としますが、工務店の場合は一から施行しているので、その建物の特性を分かった上で作業してくれるという点でも安心です。
しかし、身近で何でもやってくれるが故に地震や台風などの災害時や繁忙期は人手が足りず、現場に来てくれるまで時間がかかってしまう場合もあります。

ハウスメーカーのメリットとデメリット

有名なハウスメーカーだと全国に広告が出ているので、工務店とはまた違った安心感があります。資金力もあるため新しい製品の開発や最新技術を使った設備も多く、経営基盤も盤石で、家を建てている最中に倒産するリスクは低いといえるでしょう。
しかし、大きな会社だからこそ広告や人件費に当てる費用が多く、それが建設コストにも関係してしまいます。
ハウスメーカーは「費用が増しても、とにかく早く家が出来上がって欲しい」という方向けで、こだわりたい人や自分のライフスタイル、家族構成に合わせた家を望むのならば、ハウスメーカーは自由度が低いかもしれません。

安心してお任せできる工務店の選び方

誰に相談する?

ハウスメーカーほど広告を出さない工務店にとって一番の宣伝は「地元の口コミ」。地域住民が必要とするほどの工務店であれば、評判もよく信頼できます。
生の声ほど説得力があるので、身近な人で新築を建てた人がいれば積極的に話を聞いてみましょう。

チェックすべきポイントは?

工務店を選ぶ際には、以下のような点に着目してみましょう。

  • 施行エリア…自分が家を建てたい土地に対応しているか?
  • 会社の安定度…倒産や不祥事のリスクがないか?ホームページやSNSを見て社員数を確認し、過去の施行事例数が多すぎないか・少なすぎないかをチェック。
  • プランの内容…自分が理想とする家づくりができるプランがあるのか?臨機応変にアドバイスや寄り添った提案ができるか?
  • 品質、技術…安心して暮らせるクオリティの施行ができているか?施行途中の現場を見学、丁寧な仕事で手を抜いていないか?

情報の集め方は?

口コミやチラシも鉄板ですが、機会があれば現場に出向いてみましょう。
SNSや住宅総合サイトなどを使って近いエリアを探してみると、展示会やイベントを開いている企業があるはず。少し大きな工務店でも展示会をやっていることがあるので、会社の雰囲気や社員さんの顔を見るだけでも、どこで話を聞くかの大きな判断材料になるはずです。

決めるまでの流れ

1. 施行会社を探す
口コミ、SNS、チラシ、住宅情報サイトなどから気になる会社をいくつかピックアップしてみましょう。カタログや資料請求もしてみるとイメージが掴みやすくなります。
SNSで情報収集する際は、フェイク情報に注意してください。

2. プランを相談する
家の完成形をある程度固めておくと、伝えるときにスムーズです。いまいち決まっていなくても施行会社の方からさまざまな提案をしてくれるので、予算も加味しつつ相談しながらプランを考えていきましょう。

3. 見積もりを出してもらう
何にいくらかかるのか内容が全て分かるように、細かく見積もりを出してもらいましょう。
分からないまま進めるのはトラブルの原因になりかねないので、この段階でしっかりとチェックしておくことが大切です。
見積もりを出してもらったからといってその会社にお願いしなくてはいけない訳ではなく、いくつかの施行会社に見積もりを出してもらって検討しても構いません。納得がいくまで慎重に比較検討するようにしましょう。

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