戸建ての維持費はどれぐらい掛かる?

戸建ての維持費はどれぐらい掛かる?

戸建てに掛かる維持費の金額と種類

戸建ての維持費は、30年間の総額で約1,180万円、年平均にすると約40万円といわれています。
おおまかな内訳としては、以下のとおり。

30年間戸建ての持ち家に住んだ場合の維持費

  • 税金…300万円
  • 修繕費用…800万円
  • 保険料…80万円

合計:1,180万円(1年あたり:39.3万円)

これは長期間に掛かる費用を平均化したものですが、毎年掛かる税金や保険だけでも月額1~3万円程度は必要。
家は買って終わりではなく住み続けるものですから、当然快適で安全な暮らしを維持していくためには一定の維持費用が必要なのです。
広い意味での維持費としては、上記のほかに毎月の電気・ガス・水道代といった光熱費も継続的にかかる費用のひとつです。

戸建ての維持費の内訳を知ろう

戸建ての維持費について、もう少し詳しくみていきましょう。
光熱費を除いた純粋な維持費としては、税金・保険料・修繕費の3つが挙げられます。

戸建てに掛かる税金1.固定資産税

固定資産税とは地方税のひとつで、毎年1月1日時点に土地や建物などの不動産を所有している人に対して各市区町村から課される税金のこと。市区町村から受けている道路の整備や上下水道の管理などの対価として支払う税で、支払いは年1回の一括か4回の分割払いになります。

固定資産税の額は、各市区町村が評価した固定資産税評価額をもとに土地と家屋それぞれの納税額を算出するという仕組み。詳細な算出方法は複雑なのですが、固定資産税評価額は土地の場合で時価の6~7割、建物の場合だと建築価格の5~7割で算出され、「固定資産税評価額×税率(標準だと1.4%)」で計算できます。

単純計算の
固定資産税の例
固定資産税評価額が土地2,500万円、建物2,000万円の一戸建ての固定資産税額

  • 土地…2,500万円×1.4%=35万円
  • 建物…2,000万円×1.4%=28万円
  • 合計:35万円+28万円=63万円

単純計算してみると結構な金額になり驚く方もいらっしゃると思いますが、固定資産税には軽減措置が設けられています。

土地の軽減措置として、住宅用地に区分されている土地を住宅の敷地としている場合は「住宅用地の課税標準の特例」として200平米以下の小規模住宅用地は1/6、200平米を超える一般住宅用地については1/3の割合で課税標準額が軽減されます。

建物の軽減措置としては、課税床面積が120平米までの部分の納税額は3年間、3階以上の中高層で耐火構造の住宅であれば5年間のあいだ、2分の1(その翌年からは適用が外れる)に軽減されることになっています。

さらに、建物が長期優良住宅の場合は5年、3階以上の中高層で耐火構造住宅の長期優良住宅は7年と、減免期間が長くなります。

軽減措置を含めた固定資産税の例
  • 土地(敷地面積170平米)…2,500万円×1/6×1.4%=約5.8万円
  • 建物(築2年目・課税床面積100平米)…2,000万円×1/2×1.4%=14万円
  • 合計:5.8万円+14万円=19.8万円

上記のように、平均的な一戸建ての場合、固定資産税は年間10~20万円以内に収まることがほとんど。ちなみに税額の計算は市区町村がおこない、課税明細書として送付されてくるため、ご自身で計算する必要はありません。

軽減措置があるとはいえ、戸建てを所有する限り毎年掛かるのが固定資産税。毎年継続的に掛かる維持費としてはいちばん大きい額になりますから、しっかり準備をしておきましょう。

戸建てに掛かる税金2.都市計画税

都市計画税は固定資産税と共に課税される税金で、都市計画法にもとづく市街化区域内に所在する土地・建物が課税の対象。市街化区域とは既に市街地を形成している区域、または約10年以内に優先的・計画的に市街化を図るべき区域と定義されており、市区町村の都市計画課で都市計画図を見るか、市区町村のホームページに公開されている場合もあります。

例えば東京都の場合、23区内は河川敷を除いてすべて市街化区域。多くの市街地が該当するため、都市部にお住まいであればほぼ該当すると考えてよいでしょう。
税額については「固定資産税評価額×税率(上限は0.3%)」で試算が可能です。

また、都市計画税には土地のみに軽減措置があり、200平米以下の小規模住宅用地は1/3、200平米を超える一般住宅用地については2/3の割合で課税標準額が軽減されます。

軽減措置を含めた都市計画税の例
  • 土地(敷地面積170平米)…2,500万円×1/3×0.3%=約2.5万円
  • 建物(軽減措置無し)…2,000万円×0.3%=6万円
  • 合計:2.5万円+6万円=8.5万円

一般的な戸建て住宅の場合、毎年約5~10万円程度の都市計画税が掛かります。固定資産税と合わせると、年間15~30万円程度の税金が維持費として必要だと考えておきましょう。

戸建てに掛かる保険料

戸建て住宅を購入した際には、火災保険に加入するのが一般的です。

火災保険は万が一住居が火災被害に遭った際に備えるための保険で、家屋の補償だけでなく近隣に飛び火した際の補償も受けることができます。また、住宅ローンの借入の際には火災保険への加入が必須となっているため、一戸建てを持つなら掛かるべき維持費のひとつと考えてよいでしょう。

火災保険は住居面積や保険期間、補償範囲等で保険料が異なり、保険会社ごとのプランにも違いがありますが、おおよその平均額としては5年ごと に10~15万円が相場となっています。

火災保険の任意特約として家財保険があり、これは火災による焼失や台風や大雨による水没、盗難被害に遭った家財を補償するもの。保険料は補償する家財の金額によって変動し、年間数千円~1万円程度となっています。

火災保険以外に、震災に備えて入っておきたいのが地震保険。単独の保険のほか、火災保険の特約としてつけることも可能です。
保険料は建物の耐火構造や居住エリアによって異なりますが、年間1~2万円程度が相場となっています。

これ以外の保険として、住宅ローンを組む際に団体信用生命保険への加入が条件となっている場合もあります。
ローンの返済中にローン契約者が亡くなったり高度障害になった際に残額が支払われる保険で、実際に契約を結ぶのはローンの借入先である金融機関であることが多く、その場合は金融機関が保険料を支払うため、ローン契約者の負担は0円となります。

戸建てに掛かる修繕費

住宅は住み続けると経年劣化していくもの。外壁の補修や雨漏りの屋根修理、フローリングや室内のクロスの張り替えなど、一定期間ごとに補修や修繕が必要となってきます。
戸建てに30年間住み続けると考えた場合、修繕費の総額は約800万円となり、年単位にすると約26万円程度。
毎年一定額が掛かるものではありませんが、築年数が20年を超えると補修や修繕が必要な箇所が増えてきますから、早めに備えておくのが賢明です。
それぞれの修繕に掛かる費用は以下のとおり。

  • 外壁(10~15年)…80~100万円
  • 屋根(10~15年ごとに点検・必要に応じ補修)…40~80万円(塗り替えた場合)
  • 壁紙(約20年)…40~50万円
  • フローリング(約20年/点検は5年ごと)…15~20万円/6畳あたり
  • 水栓・配管(約20年/点検は5年ごと)…50~100万円
  • キッチン(10~15年)…60~90万円
  • 洗面台(10~15年)…20~30万円
  • トイレ(20~30年)…15~20万円
  • ユニットバス (20年)…70~80万円
  • 給湯器(7~15年)…15~20万円
  • シロアリ対策(点検は5年ごと)…20万円(補修する場合)

維持費のうち、一度に大きな額が掛かるのが修繕費。普段からトラブルを想定して貯蓄しておくのはもちろんですが、これをできるだけ抑えるためには、建設時に耐久性の高い素材を用いる・定期点検を欠かさずこまめに受けて傷みを早めに発見する・丁寧な掃除や定期的なメンテナンスを欠かさないといった点に配慮するようにしましょう。

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