工務店とハウスメーカーの違いはなに?選び方やメリット・デメリットについて解説

工務店とハウスメーカーの違い・10番勝負!

工務店とハウスメーカーの違いを、家を建てる時に着目したい10の項目で比較します。

1.費用

ハウスメーカーはテレビCMなどの広告宣伝費やモデルハウスの管理費・人件費などが住宅の売価に上乗せされるため、費用が高くなる傾向にあります。しかし、一度に何千棟分の建材を仕入れることでコストカットができたり規格住宅を販売しているローコストメーカーも見られたりと、一概にハウスメーカーだから高額とは言い切れません。
一方、工務店は建築に直接関係しない販管費が発生しにくいため、その分費用を抑えられます。自分好みの理想の間取りやデザインを叶えて性能面も担保できるのは、工務店ならではのメリットだといえるでしょう。ただし、あまりにも凝ったデザインや設備を取り入れる場合や材料費の高騰など情勢の影響を受けてしまった場合など、状況によってはコストが高くなる可能性もあります。

2.営業規模

ハウスメーカーは全国展開しており各地の住宅展示場でモデルハウスを見学できるので、完成イメージが湧きやすいでしょう。
工務店は中小規模で地域に密着しているため、基本的には地元民が顧客となります。モデルハウスを建てるケースは少ないため、完成見学会に参加したりHPの施工事例を見たりして情報収集をしましょう。また、最新の情報を得るため、ブログや施工事例は更新がコンスタントにされているか・日付が古いものばかりではないかの確認もしておきましょう。

3.施工エリア

工務店とハウスメーカーでは、工事を請け負うエリアの広さも異なります。
ハウスメーカー対応エリアが広く基本的に全国どこでも施工可能ですが、工務店は特定の市町村に限定されていることが多く、地域の気候や土地の特性を熟知しているといえます。建てたい土地に知見がない場合は、地元密着型の工務店から地域の気候や特性などを教わるとよいでしょう。

4.商品プラン

ハウスメーカーには間取りやデザインをパッケージ化した複数のプランがあり、基本的にはその中から選ぶことになります。プラン外のオプションをつけることも可能ですが、その分高額になってしまいます。
工務店は仕様やプランの制限がないことが多いため、ハウスメーカーにはない独自のプラン設計ができます。

5.間取りの自由度

特にこだわりがなく、どんな間取りがいいか分からない…という方は、ハウスメーカーが提示しているプランから選択すれば考える手間が省けて効率的に家づくりを進められます。
希望の間取りがはっきりしている場合や相談しながら決めていきたいという場合は、工務店がおすすめ。ハウスメーカーよりも間取りの自由度が高い工務店なら、お好みの動線にしたり埋め込み家具もオリジナル仕様にしたりとこだわりの間取りで理想の暮らしを実現可能です。

6.工期

ハウスメーカーは仕様や規格が統一されているため工期は短めになっていますが、プランやオプションによっては長い工期になることもあります。
工務店で一から設計プランを考えると資材の加工から施工までプランに合わせて行うため、ハウスメーカーと比べて工期は長くなってしまいます。

【延べ床面積が35坪の場合の工期の目安】
・ハウスメーカー:3~3.5ヶ月
・工務店:4~4.5ヶ月

上記はあくまで工期の目安です。ハウスメーカーであっても工務店であっても、建材の調達や加工の遅れなどの理由で予定していた工期に完成しない可能性もあることを念頭においておきましょう。

7.施工の精度

工務店は施工技術にバラつきがあるという意見を目にすることもありますが、ハウスメーカーへ建築を依頼しても実際に施工するのは地元の工務店である場合が多いため、どちらに依頼しても施工の精度に大きな違いはありません。
施行する工務店の口コミ、一級建築士・一級施工管技士などの有資格者がどれくらい在籍しているか、施工実績などを確認しておくとよいでしょう。

8.性能

住宅性能には、断熱性・気密性・耐震性・省エネ性・防火性・防犯性などがあります。その中でも特に注目すべき3つの性能について解説します。
自身がどの住宅性能にこだわるのか優先順位を決め、それに特化している会社を選びましょう。

【断熱性】
断熱性とは、熱伝導を防いで暑さや寒さが家の中に入ってくるのを遮断する性能のこと。断熱性が高いと家全体の冷暖房効率が高くなり、光熱費を抑える効果があります。
逆に断熱性が低いと家の中に温度差が生じ、結露などによって住宅の寿命が短くなってしまいます。

【気密性】
気密性とは、家にどれだけ隙間がないかを表します。
外壁や床に隙間があると隙間から湿気が流れ込んで冷房・暖房が効きづらくなるばかりか、湿度によって壁の中にカビが生える可能性もあります。

【耐震性】
地震大国である日本では、住宅の地震への強さ=耐震性も重視されています。
耐震性を高めるには、家の構造を丈夫にすることが大切。住宅の主な構造には、従来から取り入れられている木造軸組工法・より頑丈で性能も高い2×4工法・さらに高い耐震性を持つSE構法といったものがあり、中でもSE構法は耐震性の高さを示す耐震基準の最高等級である「耐震等級3」の評価を得ているうえ、耐震性の高い家にありがちな間取りの制限がほとんどなく、吹き抜けや大開口の空間を実現できます。
神戸の住宅会社・WHALE HOUSEは、神戸で唯一「全棟SE構法を採用」している工務店。高い技術を要するSE構法を取り入れることで、阪神大震災の被災地である神戸に「地震に強い家」を増やし続けています。
そんなWHALE HOUSEは、住宅の耐震性に興味がある方のために耐震性に関するセミナーを無料で定期開催しています。興味がある方はぜひお越しください。

9.アフターフォロー・メンテナンス・保証

入居後のアフターサービスもハウスメーカーか工務店かを選ぶ時に重要な要素の一つ。ハウスメーカーは24時間365日オペレーターが対応している会社も多く安心ですが、実際の点検やメンテナンスは下請けの工務店が対応することがほとんど。施行を担当してくれた工務店が対応してくれるとは限らないため、長期的な関係性を築いていくのは難しいといえます。
工務店に直接依頼すれば施工からメンテナンスまで基本的に自社で対応してくれるため、家の構造も理解した上で丁寧にフォローしてくれるでしょう。

10.倒産リスク

全国展開しているハウスメーカーなら、倒産の心配はかなり低いと言えます。エリアの営業支部を撤退するという可能性はあるものの、その場合は近隣の県からのサポートを受けることが可能です。
工務店は小規模の会社が多いため、ハウスメーカーと比べると倒産リスクは高い傾向にあります。建設中に請負会社が倒産してしまったり、何らかの事情で工事を継続できなくなったりした場合に建築工事を引き継いでくれる業者を斡旋して建築物を完成させる保証「住宅完成保証制度」に加入しているか確認しておきましょう。

工務店とハウスメーカーの違い・メリットとデメリット編

工務店とハウスメーカーの特徴とメリットとデメリットをそれぞれみていきましょう。

工務店の特徴・メリット・デメリット

【メリット】

  • コスパが安い傾向にある
  • 施工の自由度が高い
  • 地域密着で親身に対応してくれる

【デメリット】

  • 工期が長い傾向にある
  • 倒産リスクがハウスメーカーと比べて高い

ハウスメーカーの特徴・メリット・デメリット

【メリット】

  • ブランド力がある
  • 材料や施工の品質が安定している
  • モデルハウスが見学できて完成イメージが湧きやすい

【デメリット】

  • 費用が高い傾向にある
  • プランの自由度が低い傾向にある

結局、工務店とハウスメーカーどっちがいいの?

ここまでお読みいただいてお気づきかもしれませんが、結局のところ「工務店だから(ハウスメーカーだから)〇〇が良い」とは一概に判断できません。
どちらが良いか迷ってしまった場合は、以下の「おすすめのタイプ」を参考にしてみてください。

【こんなタイプは工務店がおすすめ】

  • 費用を抑えたい
  • こだわりの間取りがある
  • 地域に根ざした人に頼みたい

【こんなタイプはハウスメーカーがおすすめ】

  • 手間はかけたくない
  • 名の知れたハウスメーカーで建てたい
  • なるべく早く完成させたい

しかし、上記はあくまで迷った時の目安にすぎません。大切なのは、自分たちが実現したい家づくりとはどのようなものなのかをご家族と話し合って明確にしておくこと。抽出した家づくりの希望をどの会社なら叶えてくれるのか、このページでご紹介した10の項目も参考にしながら比較検討してみてください。

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